ジャンプの「縦と横のギャップ」が「悔しさ」と「リプレイ性」を高める - アイスクライマー -

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https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000016850.html

今回は「アイスクライマー」を取り上げます。アーケードアーカイブスのリンクも貼っていますが、元々はアーケードゲームだったようです。
なぜか野菜を運ぶコンドルがたまに脳裏に浮かぶゲームですが、当時にプレイした記憶はありません。

YouTube で動画を探すと、プレイ動画もちょこちょこ出てきます。スマブラにも出ているため、アイスクライマーの検索ワードだけだとそっちがでがちですね。

アイスクライマーについて

一つ目のリンクの引用になります。

このタイトルは1985年にファミリーコンピューター用のアクシ ョンゲームです。
滑るブロックや移動する雲などのしかけを突破して氷山を登るポポとナナ。
ハンマーを使ってブロックを崩したり、行く手をじゃまする敵を追い払いながら、
ジャンプして頂上を目指します。
2-PLAYER GAMEでは、仲良く協力しあってプレイする方法と、
じゃまをしたり意地悪をしたりしてプレイする方法があります。

キャラクターに名前あったんですね、ちなみに私はコンドルではなくプテラノドン的なものかと思ってました😅

操作

こちらも引用します。

  • Aボタンで上のフロアのブロックを崩し、穴をあけます。
    ジャンプをしてその穴を通り抜け、次々とフロアを登っていきます。
    ※フロア上では、プレイヤーは歩いてテレビ画面の左右を通り抜けることができます。
  • 途中、トッピーやニットピッカーが出てきてじゃまをしますので、
    A・Bボタンで追い払ってください。
  • フロアの穴があいた所は、トッピーが氷を運んできて、埋めてしまいます。
  • 一定時間がたつと、ホワイトベアが出てきて、“ドスン” と1回ジャンプをし、
    画面を押し下げます。このときにプレイヤーが画面の下方にいると、
    消えてミスとなりますので注意してください。
  • 8フロアまで到達すると、その山(面)はクリアとなり、
    ボーナスステージにチャレンジできます。
  • 最後にプレイヤーが飛び上がってコンドルにつかまると、
    ボーナス得点が入ります。

ではガイドに沿ってみていきましょう。

プレイヤー

キャラクターの機能と外見のデザイン

  • 主人公のポポとナナはハンマーを持っており、そのハンマーで氷のブロックを壊したり、敵を倒したりします。
  • ハンマーを「振りあげる、振り下ろす」アクションが非常に分かりやすく、攻撃のタイミングも掴みやすいです。
  • ジャンプ時にもハンマーを背面まで下げながらジャンプし、ジャンプの頂点付近でハンマーを上に振り上げるというのもハンマーが当たり判定になっているのでわかりやすいです。
  • ジャンプ時に SE が出ますが、ジャンプしたくなるような音が出ます。
  • ハンマーを振る時に SE は出ませんが、代わりにそれに対するリアクション(敵がやられる、氷が壊れる)などで適切に SE が出ているように感じます。

ルールや勝敗の分かりやすさ

  • ステージ中は残機の表示があるため、ゲームの進行状況が分かりやすいです。
  • タイトル画面や各ステージクリア時に、現在のスコアや、トップスコアの表示もあり、スコアにこだわる人にも現在値をすぐに確認できるようになっています。
  • スコアや頂上に到達するための目標が明確であり、クリア目標がわかりやすいです。
  • 落下や敵キャラとの接触という明確な失敗があるため、わかりやすい一方で、天井(床)の当たり判定が(今やるとですが)少しわかりにくく「え、今のダメ?」となるまま落下することもあります。

人数による遊び方

一人プレイ

探索 (発見) 戦闘 (駆け引き) を楽しむ 障害物競争 その他
  • 敵を倒すこともできるものの、戦闘ではなく敵も含めて障害物を乗り越えていくゲームです。
    • トッピーに関してはあえて倒さないという選択肢も出ます
  • ステージクリアはもちろんですが、ステージごとに 8 フロアからボーナスステージになっており、ハイスコアを目指す楽しさがあり 極める一人遊びの部類に入ります。
  • 難しいゲームではないものの、慣れは必要であり長くプレイすることで上達を感じることができます。

協力プレイ (対戦)

競技性のある 誰でも勝者になれる
  • 協力プレイができますが、プレイヤー同士が画面外に落ちるリスクを負うため、チームワークが試されます。
  • 画面がスクロールしていくと、下層にいるプレイヤーが強制的に失敗になってしまうため、置き去りにすることもできてしまいます。
  • プレイヤー同士の当たり判定もあり、プレイヤー同士で邪魔をすることもできてしまいます。
  • ある程度慣れたプレイヤー同士であれば、どちらが勝ってもおかしくないゲームだと言えそうです。
    • 驚くほど簡単に落下することができます。

操作

ゲーム的な制限

ジャンプ

官能性

アイスクライマーでは、特に「ジャンプ」にゲーム的な制限があります。

  • ジャンプの操作がシビアであり、特に「慣性」と「方向」に特徴があります
  • ジャンプに慣性には大小があり、大きな慣性を得るには数歩の助走が必要になります
    • 大きな慣性を得ると、マリオのような飛距離のジャンプができます
    • 小さな感性の場合は、 1, 2 歩分の距離しかジャンプしません
    • 距離の違いに大きなギャップがあり、簡単に穴に落ちたりします
  • マリオはジャンプ中に自由に方向転換が可能ですが、アイスクライマーでは一度しか方向入力ができません。方向入力をすると、慣性の小さいジャンプのように 1, 2 歩分だけ前に着地します。
    • しかもこれは助走の無い垂直ジャンプの場合のみです
    • 一方で、この垂直ジャンプからの方向入力での着地は失敗しにくいので確実に上のフロアに登るのに重宝します
  • ジャンプの高さはフロアの高さの 1.5 倍程あるにも関わらず、「慣性」の小さいジャンプはほぼ距離が出ません

アイスクライマーのジャンプには「慣性の大小」と「ジャンプの縦横の距離」に感覚的なギャップがあります。特に、なまじ縦方向には安定して大きくジャンプするにも関わらず、横方向には意外な程小さいジャンプしかしない時があり、そこで不自由さも感じます。

ある意味、「助走」と「方向」で「着地が場所が決定」するため、正確な操作が求められている と言えるかもしれません。

ここにこのゲームの 上達できる奥深さ官能性 の一つがあるように思います。

反発力

このゲームは、敵との接触でも一撃でどちらかがやられてしまうのでノックバックのようなものはありません。

一方で、柱や自分以外のプレイヤーとの接触では意外な程反発力 が働きます。

この反発力によって、柱に沿った状態でジャンプをすると、ほぼ反発して逆方向に飛ばされてしまいます。
この挙動によって、場合によっては登るルートが制限される場合もあります。

また、上のフロアの床(天井)ブロックをジャンプで破壊する際にも反発が働くので、穴の近くで不用意にジャンプでブロックを破壊していると反発でそのまま穴に吸い込まれることもあります。

気持ちよく操作できる箇所

官能性

  • ボーナスステージは、失敗しても次のステージに行けるのですが最上階のコンドルの場所まで時間内にいくのはそう簡単ではありません。敵が出現しない中で、トントンと頂上まで到達できるだけで達成感があります
  • リスクとリターン そもそも、ブロックを壊しながら登っていくゲームですが、ブロックを壊すこと自体が気持ちよくその上スコアも増えるので、ついつい壊し過ぎてしまいます。(そして、自分の首を絞めてしまいます)
  • このゲームはブロックとの当たり判定がハッキリしない部分がいくつかありますが、なぜか明らかにキャラクターより狭い 1 ブロックの隙間をすり抜けてジャンプし上のフロアに移動できてしまいます。
  • 単に垂直ジャンプするだけなので難しくは無いのですが、不意に隣のブロックを破壊してしまうこともあるので、1 ブロックをすり抜けられると快感です

振り向き

その場振り向き 移動振り向き
  • 空中では基本的に振り向きはできません
    • 垂直ジャンプの場合のみ一度だけ可能
  • 地上では移動振り向きになります
  • 一方で、移動中や攻撃中にクイックに振り向くということはできません
    • よって、後ろにきた敵に対して突然振り向いて攻撃ということはできません

無敵

リスポーン時に 1 秒程度の無敵時間があります。リスポーンは失敗前のフロアになるので、敵の場所にリスポーンされた場合などに回避できるようにだと考えられます。

ノックバック

このゲームにおいては、ノックバック(敵への衝突時の後退り)というものはありません。一撃でやられる / 倒すが決着するためです。

一方で、柱や他のプレイヤーに対しての反発力(跳ね返り)があり、ここではそれに対して述べます。

  • どういう状況を作るか
    • 柱や他プレイヤーへの反発はジャンプ時に現れ、ジャンプ方向が反転させられてしまいます
    • そうなると、意図していた着地位置とは異なる場所に着地してしまいます
    • 特に、柱に接触した状態で垂直ジャンプをし、柱方向に入力し 柱の先にあるフロアの床に着地しようとしても、確実に反対方向に飛ばされてしまうため、柱方向にある床には行けなくなってしまいます
      • 柱は通常 1 フロア分の高さです
  • 距離
    • 慣性の小さいジャンプよりも跳ね返ってしまうため、余計に意図しない場所に着地します
    • ここもジャンプ全般と同じく不自由さを感じる点です

リアクション

やられるにしろ、落下するにしろ、一つのミスで終わってしまうため、細かいリアクションはありません。 

移動

移動方向

  • 地上での左右移動とジャンプの方向があります

移動時の引っかかりや障害物に対する対処

    • 地上での移動時には、柱は単にそこで停止させられるだけです
    • ジャンプ中に柱に接触すると、逆方向に反転させられてしまいます
  • 雲・動くフロア
    • 雲に関しては乗って移動するだけです
    • 動くフロアに関しては、強制的に一定方向に移動させられますが、逆方向に移動入力することでゆっくりですが、逆方向に移動することができます

慣性とシビアさ

  • ジャンプは助走によって慣性が 2 種類あるため、助走距離 + ジャンプ距離を考慮した着地はシビアになる
  • とはいえ、正確に距離を測らなければいけないような状態はそうはなく、ボーナスステージの方がそういうことを考えるかもしれない

攻撃

攻撃アクション

  • 攻撃はハンマーを振るアクションがメインで、敵や障害物を壊すことができます
  • トッピーやホワイトベアに対しては、下層から上層に穴をあけて落としたり、上層のブロックを壊す時にちょうど敵キャラがそのブロック上にいれば攻撃できる
  • ニットピッカーに対しては、ジャンプ中のハンマーに当てることで攻撃できる
    • ジャンプ開始時はハンマーが背面にあるが、その状態でも当たり判定がある
    • ハンマーが振り上がるのはジャンプの頂点に近いタイミングであるため、ニットピッカーが低い場所を飛んでいるとハンマーに当たらずプレイヤーキャラに当たってしまうことがある

戦術の駆け引き

倒すことが必須ではなく、障害物に近い敵であるため駆け引きのようなものはあまり必要ではありません

インタラクティブな遊び

  • 「ジャンプして頂上を目指す」ことだけが目的であるため、それ以外は自由です
  • よって、ルートやブロックの壊し方には遊びがあります
  • 終盤のステージになれば、ある程度ルートも決まってきますが、あえてそれ以外のルートでクリアするというチャレンジもあるかもしれません 

敵キャラクター

ここからは敵キャラクターについて見ていきますが、このゲームには敵キャラクターと呼べるものは

  • トッピー
  • ニットピッカー
  • ホワイトベア

の 3 種類しかいません。

これに加えて以下がプレイヤーにダメージを与えるオブジェクトです。

    • トッピーが持ってくる。床になる。
    • これにあたってもプレイヤーはミスになる
  • つらら (氷柱)
    • 水滴が溜まって落ちてくる

敵キャラクターの機能・外見のデザイン・性格

トッピー

  • トッピーは穴を見つけては氷を運び穴を埋めていくキャラクターです
    • 穴を見つけると一度画面外まで戻り、氷を運んできます
    • 氷を運ぶ途中で穴を見つけるとそこをまず埋め、また戻ります
    • 穴を見つけて画面外に戻る途中に穴をあけておくとそこから落下します(急いでいて気づかない設定でしょうか?)
  • 見た目や動きからも氷を運んで埋めるお邪魔キャラというのがわかりやすいです
  • 一方で、明確にプレイヤーを狙うというよりも障害物(+障害物を作る)役割なので消極的な敵キャラといえそうです

ニットピッカー

  • ニットピッカーは空中を飛び回る敵で、プレイヤーに対する直接的な攻撃をしてきます。
  • 空中にいるため、プレイヤーのジャンプのタイミングを狂わせる役割を持っています
  • 完全にプレイヤーを追尾してくる訳ではなく、緩くプレイヤーを狙ってくる動きをします
  • プレイヤーを倒すことを目的とした積極的な敵キャラといえそうです

ホワイトベア

  • ホワイトベアはステージを強制スクロールさせる役割を持ち、プレイヤーにプレッシャーをかけます
  • 見た目からも強敵であることが分かりやすく、ゲームの難易度を上げる要素となっています
  • ホワイトベアはプレイヤーに接触してもプレイヤーはミスにはなりません
  • このことからも、プレイヤーにプレッシャーをかけることが明確な目的であるものの 消極的な敵キャラ に分類できそうです       

敵キャラクターを利用したアクション・リアクション

トッピーは下層から上層に登る場合には、上層に登るための穴を塞いでくる厄介な敵キャラですが、同じ層にいる場合には下層に落ちてしまう穴を埋めてくれる役割もあります。

そういう意味では、トッピーは利用できるアクションを持っています

敵キャラクターの強さと難易度

  • マップはある意味構造はずっと変わらないので、それに合わせた敵が出ている訳ではなく、敵キャラクターが難易度を表してはいなさそうです
  • トッピーとニットピッカーは、ステージが進むにつれて、多少スピードが上がっているように感じますが、雲や動くフロアが出てくることで私が見誤っている可能性もあります

プレイヤーと敵との対峙のステップ

観察する・考える(リスクの予測)

  • トッピーは単純な動きしかしないので予測がしやすいです
  • 水滴からのつららの落下は、水滴が溜まる事前アクションがあるのである程度タイミングは推測できますが、動く床についている場合もあるため注意する必要があります
  • ニットピッカーは確実に追尾してくる訳でもないので、「来ないかな」と思ったら突然こちらを向いたりと、予測が難しい敵キャラです
    • とはいえ、急に方向転換してきたりはしないので、ある程度動きを見れば問題ありません

戦う(アクション)

  • トッピーにしろニットピッカーにしろ、ハンマーにさえ当てればいいのでそこまで戦術は要求されません
  • 一方で、ジャンプを失敗した際に不意に近くにいることがあるので、ジャンプ時はそれが失敗することも想定して距離を取る、事前に排除するなどした方がいいかもしれません
  • つららは通常は避けることになりますが、ハンマーを当てることで破壊が可能です

勝つ(報酬・リターン)

リスクとリターン

  • ニットピッカー、トッピーの氷、そしてつららを破壊することでスコアを獲得することができます
  • 敵を倒すとことはそもそも必須ではないのでスコアを稼ぐために、あえてリスクを取って上記を破壊することができます

敵の出現・移動方向、倒す方向

トッピー

  • 出現場所が左右のどちらの画面端かによりますが、それが決まると移動はパターン化されます
    • 穴探すために逆の画面端まで移動
    • 穴を発見すると出現した画面端まで戻る
    • 氷を持って再び穴の場所まで移動
  • プレイヤーよりも遅いキャラクターであるため、前後どの方向からでも倒すことができます
  • 穴を発見して戻るタイミングを狙って、穴をあけて落とすことができます
  • 上のフロアにいる場合は、トッピーがいるブロックを狙ってそのブロックを破壊することでトッピーも倒すことができます

ニットピッカー

  • 空中移動時は、直線的に動く場合もあれば、弧を描くように移動したりとさまざまです
  • プレイヤーの前方近くに来た場合は「ハンマーで叩く」、プレイヤーの上空にいる場合は「高さに応じてジャンプ時のハンマーに当てて倒す」となり、位置によって倒す方向性も変わります。

ホワイトベア

  • 倒す必要もありませんが、左右に移動しているのでトッピーと対処は同じになります

敵を倒すテンポ

狙い撃つ 素早く倒す

敵の数も多くなく、プレイヤーキャラクターも機敏に動ける訳ではないので、確実に一体ずつを意識して倒すことになります

ヒットストップ

  • ヒットストップは用意されていません
  • ヒットストップが必要になるようなシチュエーションもありません

敵は重力と地形を生かすか

重力を感じるのは「つらら」ぐらいでそれ以外は重力があってもなくても変わらない動きをしてきます

移動速度

接触するとプレイヤーがミスになる「トッピー」「ニットピッカー」「つらら」に限ると以下のようになります

  • トッピー
    • プレイヤーの方が早い
    • 穴を見つけて戻る時はプレイヤーと同じぐらいの早さ
  • ニットピッカー
    • プレイヤーより早い
    • 横方向でスピードが乗った場合で、方向転換や縦方向への移動は遅い
  • つらら
    • プレイヤーより早い (ただし落下するだけ)

リアクション

ダメージリアクション

トッピー、ニットピッカー、ホワイトベアはやられた場合のリアクションをします

魂を感じさせるリアクション

トッピー

単調な動きのキャラクターではありますが、穴を見つけて急いで戻る様が、このキャラクターの役割のようなものを感じさせます。
バタバタした感じのやられ状態も可愛らしいです。 

ニットピッカー

ニットピッカーは(内部的にそうなっているかは分かりませんが)プレイヤーの周囲を飛び回るように動くため、プレイヤーを狙っているように感じます。

無敵

敵キャラクターには無敵時間はありません

ノックバック

敵キャラクターにはノックバックのようなものはなく、柱にもぶつからず、敵キャラ同士でもぶつかり判定はありません。

レベルデザイン

基本的な特徴

アイスクライマーのレベルには基本的な部分として以下の特徴があります。

  • 各ステージには頂上があり、そこを目指します
  • 8 フロアより上はボーナスステージが用意されています
  • フロアは 4 階層以降は、プレイヤーが中央に映るようにスクロールしながら進みます
    • 一画面に映っているフロアは 5 フロア分であるため、プレイヤーが中央の場合は前後 2 フロアのみ
    • スクロールアウトした下層フロアに落下するとミスになります
  • 各フロアは左右が繋がっており移動できます

ゲームループのステップ

アイスクライマーはステージの構造は後半になってもほぼ変わりません。ただ、少しずつギミックやその組み合わせが増えていきます。

それを踏まえて「覚え」「遊び」「応用し」「極める」で分類するとアイスクライマーは以下のようになりそうです。

覚え

まずは序盤のステージで以下のことを覚えることになります。

  • ジャンプで上層の床を壊せる
  • 敵をハンマーで叩く
  • 敵に当たるとミス
  • スクロールした穴に落ちるとミス

応用

ステージが進むにつれて以下の応用要素が出てきます。

  • 滑るフロア
  • 移動するフロア
  • 壊せないフロアブロック

これらは一つ一つは初見でもどうすればいいか大体わかりますが、これらが組み合わさることで終盤のステージの難易度を上げています。

緊張感

アイスクライマーのレベルで緊張感を生むのは大きく以下の二つだと考えます。

  • ミスなくジャンプで上層へ行くことの緊張感
  • 時間経過で高まる緊張感

ミスなくジャンプで上層へ行くことの緊張感

これは当たり前のことではあるのですが、このゲームをしていると敵キャラに直接やられるよりも、自分の移動やジャンプでの明らかなミスでゲームオーバーになることが多いと感じます。

最初は敵キャラだけを意識しておけばよかったものが、応用要素が出てくるにつれて同時に意識しなければいけないものが増え、気がつけばスクロールによってできた穴に落下というパターンが個人的にはとても多いです。

自分のミスで失敗するので悔しさ も大きくなります

時間経過で高まる緊張感

ミスしないようにゆっくりと進めることもできますが、アイスクライマーでは「穴を淡々と埋めてくるトッピー」と「フロアを強制スクロールしてくるホワイトベア」がそれを許してくれません。

ホワイトベアはもちろん厄介なのですが、後半のステージになり慎重に上層にジャンプしたいときに、ひょこひょこと穴を埋めにくるトッピーが抜群に嫌な仕事をしてくれます。

ブロックの当たり判定

アイスクライマーをプレイして、最初に感じるレベルに対する理不尽は「ジャンプして、明らかに上のフロアのブロックにめり込んでいるのに下に落ちてしまう」ではないでしょうか。

下からのジャンプでも 1 ブロック分の隙間でキャラクターがすり抜けられるので、ある意味では整合性はとれているのかもしれませんが、落ちることが直接ミスに繋がるこのゲームで「上のフロアに簡単に乗れない」というのはプレイ開始時はとても理不尽さを感じました。
同じような場所でも垂直に降りた時は絶対にすり抜けないのでなかなか戸惑います。

今回は「下からのジャンプ時に 1 ブロックの隙間を抜けられる」は例外として考え、ジャンプ後のフロアへの着地は以下のように捉えることにしました。

横方向フロアへの衝突判定はすり抜けやすく、縦方向の衝突判定は固い

キーとなるメカニクス

ここまでまとめてきた内容から、私達はアイスクライマーの主要なゲームメカニクスジャンプに存在するギャップ であると考えました。

ジャンプに存在するギャップ

ギャップには以下の 3 つがあります。

  1. 縦方向のジャンプと横方向のジャンプの大きさのギャップ
  2. 対空時間と空中でできることのギャップ
  3. ジャンプからのフロア衝突判定の縦方向と横方向でのギャップ

これらを一つずつ見ていきます。

1. 縦方向のジャンプと横方向のジャンプの大きさのギャップ

「操作」のところでも触れましたが、プレイヤーキャラクターは縦方向には一定の高さでかつ1.5 フロア分という高いジャンプが可能です。
一方で、横方向のジャンプとなると、助走をつけてジャンプしない限りはジャンプ前後の方向入力をしただけではキャラクターの 1, 2 歩分ぐらいの距離しかジャンプしません。

助走をつけたジャンプだとしても、縦の距離に比べると半分程度の距離です。

つまり、縦方向の飛距離から想像する横方向の飛距離があまりに短いのです。

これは、マリオの動き等に慣れてしまったためというのもとても大きいと思います。

2. 対空時間と空中でできることのギャップ

縦の飛距離が長いということは、空中にいる時間もまあまあ長いのがこのゲームに特徴です。
マリオも対空時間が長いですが、アイスクライマーはマリオに対して空中では(ほぼ)何もできません

「ほぼ」としたのは、すでに述べたように垂直ジャンプの場合のみは一度だけ方向入力をすることができます。ただ、最初から慣性を持ったジャンプをした場合には落ちてくるのを待つだけです。 

マリオであれば、いくらでも空中で方向制御をして着地場所を調整できますが、アイスクライマーではそれはできないのです。

これも、マリオの動きに慣れたせいではあると思いますが、長い対空時間に対して、できることが無さすぎるように感じてしまうのです。

3. ジャンプからのフロア衝突判定の縦方向と横方向でのギャップ

レベルデザインの最後で触れましたが、上層へどんどん登っていくゲームで、縦の飛距離が 1.5 フロア分あるため、基本的にはジャンプして着地点が上層のフロアというのが上へ登る方法になります。

ですが、上のフロアに少しでも横から入ると完全にキャラクターがフロアにめり込んでいる状態でスッとすり抜けて今の層に落ちてきてしまいます。

特にこれが助走に失敗した慣性の小さいジャンプで発生しがちであり、ジャンプの失敗に加えて落ちてきてしまったという結果も重なり、かなり悔しい状況になります。

反面、上層へのジャンプ時に、数ピクセルでも上層のフロアにキャラクターの頭が当たれば跳ね返されてしまい理不尽さを感じてしまいます。

同じ物体が接触する方向によって、すり抜けたり固かったりという状態はゲームではよくあること(下からはすり抜けて上がれる空中床など)なのですが、それによって「失敗」という結果が出るので、ギャップを感じてしまうのかもしれません。

3 つのギャップから考えるメカニクス

まず、一つ目は「正確性」です。

もし、このゲームがマリオのように空中でも自由に動けたとしたら、とても簡単なゲームになってしまったと思います。マリオであれば、ジャンプ後の軌道修正がいくらでもきくので、着地に失敗する可能性が少なくなります。

ジャンプ中の横移動の範囲が助走やジャンプの仕方で決まっており、かつ上のフロアの着地が成功する判定がシビアとなると、このゲームのジャンプはとても「正確性」が求められていると言えます。

続いて、二つ目は「悔しさ」です。

正確性が求められるジャンプであるにも関わらず、このゲームのジャンプは対空時間が長く、しかも何もできません。
そうなのです、ジャンプが失敗したと予測できたとしてもその間は、もどかしい気持ちで見ているしかないのです。 

ただでさえさまざまな感覚的なギャップでミスを誘発されているのに、それをただ眺めるしかないのです。

プレイし始めこそ、ギャップは「理不尽」にも感じますが、当然意図された仕様であるため、それを克服してクリアを目指すにも関わらず、どうしてもミスは誘発され、それを眺めさせられる、これはとても悔しいですし、私もプレイしながら何度も(イライラを含んだ)悲鳴をあげて子供に注意されました。

結果、この悔しさや正確性を高めるために何度もプレイしてしまいます。
実際、うまくいくと本当にトントンと登っていけて気持ちがよく、ギャップのことなんて忘れてしまうのです。

この「理不尽」と「自分のミス」のどちらとも言える状況からくる「悔しさ」が「リプレイ性を高める」ことにつながっているように感じます。

ゲームのコア要素を不自由にすることで面白く

アイスクライマーは名前の通り登っていくゲームなので、ジャンプはいうまでもなくコアの機能です。ハンマーなんて振らなくてもクリアはできますが、ジャンプ無しにはクリアできません。

そのコア機能をあえて不自由にすることで何度もリプレイしたくなる面白さが成立しているというのは簡単ではないと思います。

もちろん、昔のゲームなので技術的な制約の中でそうなっているのかもしれませんし「ジャンプ」以外のものも含めてのアイスクライマーなのですが、とても興味深いです。

最後に

Nintendo Switch Onlineアイスクライマーをプレイしましたが、ステージを選択できたので、最初は 10 ステージほど順番にやり、ステージクリアが辛くなってきたところで途中を飛ばして終盤のステージをプレイしました。

小学生の子供とも一緒にプレイしましたが、8 歳だと垂直ジャンプからの方向入力すらもままならず、2 ステージ目ぐらいで脱落しました。
プレイ中はイライラしていましたが、私が何度もストンと穴に落ちていくのは面白いらしく爆笑して見てくれていました。

今回は、キーメカニクス「ジャンプに存在するギャップ」としました。
これに関しては、プレイヤーの我々のコンテクストが強く出てしまっていて、当時ではそういうギャップすら感じなかったかもしれないなと思いつつ「今考えるなら」というのでそうしました。

議論の中で「ジャンプ」について考察してみましたが、「格闘ゲーム」の場合もジャンプが一定だったり、数種類のジャンプを用意していたり、アクションゲームであってもカービーのように浮くことができたり魔界村シリーズのように二段ジャンプがあったり、3D ゲームになると着地地点を目視で測れないのでアプローチはさまざまになったりと、本当に多くのことが「ジャンプ」に盛り込まれているなと感じました。

ジャンプにとことんこだわったゲームというのがあっても面白いなと思いながら今回はこの辺で締めたいと思います。